2022/08/01小さいなりに
家の広さが小さくなってきたことは、もう何年も前からのことで統計にもはっきりと
出ています。約10㎡くらいがこの10数年で小さくなっています。
これはちょうど6畳分位が小さくなったことになります。
20年位前のお客様の間取りを幾つか見てみると、確かにゆとりが感じられます。
何というのでしょうか、間取りに遊びがあって大ぶりな印象を受けるのです。
当時の常識や慣習で造られることも多く、そのようなものが影響していたことがあります。
例えば、部屋は4畳半では小さいのでせめて6畳にはしておいたほうがよい。
あるいは主寝室の大きさは、8畳でなければ周りに余裕がなくなり狭い思いをする。
これらが常識のようにしてみんなの意識にあったのでした。
他にも玄関は広くないと朝の出勤時に混雑するので、広いほど良い。と言っていたのです。
その後土地の値上がりや建築費も徐々に上がり、建設費の総額を抑える傾向がありました。
それから家を造る人達、すなわち若い人たちの意識と価値観が大きく変わったことも
あります。あまり人のことは気にせず、自分の大事にしていることを家造りに反映させて
きたのです。
例えば和室は要らない、当然仏間も床の間もありません。寝室は寝るだけで良い。
子供室は4帖半もあれば充分である。これは非常に合理的であり、割り切った考え方に
なります。玄関ホールや廊下は部屋と切り離された所にあったのでした。
しかし今玄関に入るとそこはリビング空間につながっていたという事は珍しくありません。
そのうち小さな家を提唱する建築家も出てきて、そのうまい部屋の造り方とデザインが、
若い人の人気となったことがあるかもしれません。
いずれにしても必要なものはしっかりと確保、不要なものは飾りにもならない。
このようにメリハリをつけた家造りは、今の人達の特徴であり良い所だと思います。