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男子たるもの泣いてはならない。このように教えられて育ってきた人達は強い。

 

特に戦争に行った世代は、滅多に自分の弱い所を見せないことが多いので、その精神力

 

に驚くと同時に、とても真似は出来ないと思えるのです。

 

ちょっと懐かしい映画に「ブラックレイン」と言うものがありました。

 

アメリカ映画ですが日本人の松田優作（松田翔太の父）を準主役に仕立てて、日米の警察が

 

協力して犯人を追う筋書きです。

 

高倉健も出ていたのですが、今となっては松田優作の迫真の演技と凄みが強い記憶にあり

 

ます。実は松田優作はこれが遺作となり、惜しまれながらこの世を去ったのでした。

 

個性派俳優で強烈なキャラクターは見るものを圧倒させたのでした。

 

それは大阪の大都会を舞台にした映画でもありました。

 

そうでした、話しの本題は映画の評論のことではありませんでした。

 

松田優作はがんを患いながらもロケを敢行して尊い命を縮めたのでした。そして一切の

 

泣き言を言わず、妻の美由紀にも病名は伝えずに逝ってしまったのです。

 

その事を美由紀は手負いの虎が家にいるようでしたと語っています。

 

近づくな、声をかけるな、かまうなと言う意味でしょう。動物が低くうなり威嚇とも

 

取れる態度、あの様子ですね。

 

思うに一人の人間として妻に素直に告げて、弱みを晒し、情けない自分の姿と動揺する

 

気持ちを打ち明けたら、どんなにか気持が楽になるだろうと思うのです。

 

役者魂がそうさせたのかもしれません。また戦前の弱音を吐くなと言う教育が体に染み

 

ついていたのかもしれませんね。

 

私は下手なゴルフをたしなむがバンカーに捉まって球が出ない、OBを連発して打ち方が

 

分からなくなることがあります。そんな時頭は冷静さを保つのは容易ではあません。

 

情けない気持ち、悔しい気持ち、怒りに近い気持ちが交錯してしまいます。

 

しかしそのような窮地の自分を救い、何とかこの後のプレイを続行しなければなりません。

 

冷静を装い気持ちを短時間に整えて、仕切り直すのが紳士のスポーツに一番相応しい

 

態度です。

 

しかし私の中では所詮レクレーションであり、友好を目的にゴルフを楽しんでいます。

 

ですから泣き言を言って助けを周りに求めるのです。情けない声を発して自分のピンチを

 

何とか手助けしてくださいと訴えるのです。

 

すると寄ってきて「今の打ち方は頭がスェーしていたとか、ボールから目が離れていた」

 

というアドバイスがもらえるのです。まったく真をついた言葉を聞くことになるのです。

 

生きていくのは今までも、これからも大変。だから弱音を吐き、泣き言を言って、見苦しい

 

自分を晒すのが一番いいと思っています。皆さんはどうでしょうか。