2022/10/02検査2
ちょっとトピックがマニアックなことになってしまいました。
しばらくの間お付き合いをお願いいたします。
昨日は木材の強度はどのようにして測るのかということをお話ししました。
今日は鉄筋とコンクリートの試験について考えてみます。近代の建築で鉄筋の入って
いない建築というものはありませんね。
木造でも基礎部分には鉄筋の入った構造になっているくらいです。
皆さんは鉄筋をどこか建築現場で見たことがあるでしょうか。それとも鉄筋の形が今一つ
分からないので、どういう物かイメージ出来ないという事もあるでしょうか。
鉄筋はJISで試験方法が決められていて、細かく要領が指定されています。
鉄筋を上下のチャックで掴み、高圧の油圧機で上下に引っ張ることで強度を測ることに
なっています。
実は社会人になって長く建築現場で働いてきたのですが、鉄筋の強度試験をしたことは
一度もありません。学校の材料試験の授業で学んだくらいです。その点コンクリートは
現場で生コンを取り出し、供試体という名の試験体を6本抜き取ります。
それには理由があって現場で生産するコンクリートは、現場毎に条件が違い品質にばらつき
が生じやすいという事があります。
それで実際の現場で抜き取ってこそ、より実態を反映した数値が出るからです。
鉄筋は検査をしないのかと言うとそうではありません。これまた厳しいJIS基準の工場は
安定した生産ラインと管理体制が整っているので現場での検査はありません。
その代わり、ミルシートという鉄筋に付いてくる出荷証明をもって検査とするのです。
補助金工事の申請や公共工事では納入証明書として提出することが多いです。
その試験では何トンもの力で鉄筋は上下に引っ張られますので、限界点が自ずと
やってきます。
すると突然甲高い音(ガキンという)を発して切断されてしまいます。
音にびっくりするのですが、切断面は引きちぎられたことで細くなり鋳物のような荒さ
の表面が現れるのです。
専門用語と業界事情の話に終始しましたね。興味も今一つだと思います。
今日はこの辺でお終いという事にしましょうか。この続きはまた次回という事にします。