2022/11/16続,同族ゆえに
企業は資本が元手にないと成り立たない仕組みになっています。
資本とは資金のことを言います。同時にそれだけで運営できるわけではありません。
資金を投入して会社という法人格を設立したなら、そこに人的な資源を投入する
ことで初めて営業活動を始めることが出来るのです。
親会社のパン製造会社は幾つかの子会社をこしらえて営業活動を営んでいたのです。
そのいくつかの子会社の役割は、主に親会社の事業を補佐したり、スムースな事業の
進展を計る為に設立されると考えています。ですから親会社の資本により、親会社の
息の掛かる人達により会社はスタートすることになるのです。
いわゆる同族経営というものです。時代の要請もあったのだと思います。
毎年二けた成長を続けて、人口も日本で100万人位増え続ける時代でした。
そして子会社は少々計画通り行かなくても、親会社の売り上げが伸びていますので
その恩恵で何とかなったのです。高度成長の時代は企業にもゆとりがあって、内部
蓄積も進んだのでした。
同族による会社運営は何も悪いことではありません。先ほど言いました親会社の経営
の助けになるので、親会社のスピーディな事業決定と、外部会社への利益の流出が防
げるという事は最大の利点です。
しかし同時にマイナスの面もはらんでいました。その両面のことをしっかりと管理
できる人がいて、目を光らせる働きがあるようだとうまく行きます。
ちょっとの油断と慢心、悪い意味でのやさしさが一気に業績を曇らせ、後戻りでき
なくなることを数多く見てきました。
親会社と子会社の関係は運命共同体、別な言い方では一蓮托生の間柄になります。
子会社がいくら業績がよくても、親がこけると何の意味もないのです。
この事はまた次回にお伝えしたいと思います。