2021/01/17建築はクレーム産業か2
仕事をしていてクレームほど応えることはありません。
仕事の意欲は下がるしリズムも狂うので百害あって一利なしの状態です。
もし学ぶことがあるとしたら、「次は絶対に起こさないぞ」と気を引き締めて
仕事をするようになることでしょうか。
痛い思いをするのは自分です。何回も同じような轍を踏みたくないですからね。
そしてクレームは解決しなければ前に進みませんので、何とか粘って当たる以外に
ありません。ただ理不尽な言い掛かりや、いわゆるヘビークレームには毅然とした
態度をとるようにしています。
さて建築業界特有のクレームがあると先日言いました。
他の業界と違う所が弱点となって、クレームの形で表れやすいのです。
その弱点の一つは商品が無いということです。今から造っていくものだから、先にお見せ
できないということです。
お客様は見て、触って、試してみて初めて買う決断が出来ます。
時にはあちこちお店を回り、一番良いところで買いたいという人もいることでしょう。
ですから家を造る人は想像力を働かせ、家のイメージを自分で描く必要が出てきます。
作り手とお客様の描く像が同じであればいいのですが、えてして違うものを思って
いたりします。お互いに自分の都合のいいように。
「こうなるとは思ってもいませんでした」と言うのはよく聞く言葉です。
さらに家を造る人と買う人の知識の差が、大きいということがあります。
業界の言葉を使い説明されても、ちんぷんかんで理解することは容易では
ありません。
不動産の業界では売買にあたり、トラブルが絶えなかったことから、重要事項の説明が
義務化されましたが、クライアントに伝わる(アマチュアの方が理解できる)ものになって
いないと意味がないとされます。
買う人の所まで下りてきて、かみ砕くように説明をしなさいということです。
最後に職種の連係と人の連係で作業が進められ、家が出来上がるということです。
多くの人が介在することで、仕事の質や人に偏りが出てくることは、
ある面仕方のないことです。
それらが弱さとして重なったときクレームという形になりやすいです。
しかし私たちはプロの集団です。それらを予見してあらかじめ対策を打つことで
防ぐことはできますね、頑張りたいです。