2021/01/27杉とヒノキの特徴
杉とヒノキは日本を代表する双璧のような木材です。
鹿児島県の山林は身近な里山から山岳部まで幅広く偏りなく見られます。
戦後しばらくして、地方から都会へ人が大量に吸い寄せられました。
それまで農業の担い手であった人達は、田や畑を放棄して出ていったのでした。
後は勝手に育ってくれる杉やヒノキが植えられたのでしたが、その山が
今大量に伐採時期を迎えています。ご多分に漏れず高校を卒業して都会に
出て行くとき、父はもう耕作はしないと決めて3枚の畑に杉を植えたのでした。
今ではその木は充分大きくなっていますが、手つかずのままになっています。
日本の木材は外国産材に押されて振るわなくなっているのが現状です。
杉とヒノキは特徴は違いますが、それぞれ持ち味を出して日本の建築や日用品に
はなくてはならない木材です。
ここでその違いを見てみましょう。まず杉の木はどのような所に育つでしょうか。
鹿児島では「迫」という呼び名をよく聞くことがあります。
人の名前にも多くありますが、元は土地の形状を表している言葉になります。
この迫に杉がよく植えられ、大きく育つ風景はよく見ます。
片やヒノキはどうでしょうか、もし迫にヒノキが植林されたら・・・。
次第に勢いを失い、遠からず枯れてしまう運命になります。この迫と呼ばれる所、
どのような所でしょうか。
分かりやすく言うと、土地が周りより低くなっている所を言います。
谷あいであったり、尾根と尾根に挟まれた低地で時期によっては川が流れたりします。
このような迫と言われる所は、水分を多く含んでいる土地です。
杉の生育には相性がよく、ぐんぐんと大きく育っていきます。
ではヒノキはどのような土地が一番合っているのでしょうか。ヒノキは尾根筋であったり
割と乾燥しているところに植えられ育ちます。
間違っても迫のような水分の多い土地ではありません。
それと経験談を一つ。杉とヒノキを父と一緒に山に植えましたが見事に失敗でした。
「ヒノキの木はいい値がするから植えてみようか」と千鳥状態に植えたのです。
両得をもくろんだのですが全く浅はかでした。杉の生育が早いものですから、
ヒノキは押しやられていつの間にか取り残されてしまったのです。
10年後くらいにはすべて間伐の憂き目にあったのです。
木の特性をよく知って植林はしなければうまくいきませんね。
次回は建材としての木がそれぞれ持っている特徴を、述べていきたいと思っています。