2021/03/01東京から離れた生活
UターンやIターンで鹿児島にやって来る人がいるといいます。
大震災やコロナで地方の良さが見直されようとしているようです。
私も建築屋ですが、そのような方の家造りをお手伝いしたことがあります。
南薩に温泉の引き込まれた土地が売りに出されていました。
土地は都会に住む方から比べると、破格の値段に見えます。一方で建築費は
日本中どこでもほぼ一定していて、鹿児島の建築単価を教えても他地域の人でも
現実感をもって納得してくれます。ただ東京だけは違いますね、職人の日当が違います。
ほかにも食事、住宅費、動く度にお金のかかること等、まことに東京は異常なところです。
そんな所に見切りをつけて、東京から離れた所(地方というのでしょうが
視点を変えて)に住まいを持つことで、豊かな人生を取り戻せるという方がいます。
もっとも個人の価値観に左右されますので、それが正しいとかいうことでは
全然ありませんね。
ただ田舎に移住したのはいいのですが、だんだん「失敗だったのでは」という感じに
襲われる方が中にはいます。あこがれた生活だったのに、自然に囲まれて健康な毎日を
送るはずだったのに、という気持ちが出てくると引き返せなくなります。
こうなると結構しんどい状態に置かれます。夫婦でそのような状態だとまだしも
どちらか一人だけがそのようなことになれば、先々心配です。
自然は豊かだけどそれだけだ、文化的なものを享受する場が少ない、何より友達がいない、
話す相手がいないことが一番応える。こんな気持ちになることが考えられますね。
シュミレーションを繰り返し、場合によっては模擬体験を積むことで、これならいけるという
確信を持ててからでも遅くはないですね。