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スタッフブログ

2021/03/31
続、打っ放し工法
投稿者:代表君野

最近の住宅ではあまり打っ放しで家を造ることはありませんが、よく造られて

 

いた時期がありました。今はもう閉鎖しましたが、創建築計画研究所の

 

設計で武町に鉄筋コンクリート造の住いを造ることになったのでした。

 

木造の家より躯体工事(家の骨組みの事)に費用が掛かりますので、

 

それなりの出費は強いられます。この現場の監理担当は田村さんという

 

方でした。まだ30歳前で私より少し若いくらいです。

 

よく打っ放しのことを研究されていました。こちらも熱だけは後れを

 

取らないようにと文献や雑誌、専門書を読みこんでは勉強したのでした。

 

安藤さんの出世作、「住吉の長屋」や竹中工務店の作品(竹中で手掛けた建築のこと)

 

の建築特集記事が随分と参考になりました。

 

素人考えで打っ放しは素地仕上げで、工事費は安くできるのではと考えるかも

 

しれませんが、実は反対なのです。躯体工事全般に注意を要し、緻密な計画と

 

それに基づき丁寧な施工が求められるからです。

 

ですから工事費を捻出しようと思うなら、このやり方はお勧めしません。

 

一例をあげますとコンクリートは打ち継ぎのラインが出来るものです。

 

これは最も嫌われる打っ放しの現象で、美観的に問題がありこれを作らないことが

 

この工事の肝になります。それを避けるには、止まることなく生コン車を配車し、

 

止まることなく生コンを打ち続ける必要があります。

 

勿論昼飯を食っている時間はありませんね。型枠のベニヤは基本新品でなくては

 

コンクリートの表面が滑らかで綺麗な上りとはなりません。

 

電気、設備工事も建築に付随して、手間が掛かり難易度はとても高いです。

 

そのようにして打設された打っ放しのコンクリートですが、表面の色が黒いと設計事務所の

 

先生に指摘されたのです。私の目にはコンクリートのジャンカ(コンクリートが密度よく

 

打ち込まれないこと)もなくきれいに打てたと思っていたのですが意外でした。

 

事前に設計事務所からも指示はありませんでした。色の好みで、問題にするような

 

ことではないと思いましたが、神戸や大阪の現場は白さの際立つ仕上りをしています。

 

後に分かったのですが、黒いのはセメントメーカーの違いによる特徴が出たものでした。

 

三菱セメントを使うと黒いコンクリートに、浅野セメント(今は合併してない)

 

では白いものになるのでした。

 

初めてのことで先生も田村さんも、私もよく知らなかったのでした。

 

その後も生みの苦しみを味わうような経験をしながら、完成までやっとこぎつけたのでした。

 

この貴重な体験と出来事は残しておこうと考え、まとめること数十ページの資料と

 

なったのでした。この後創建築計画研究所は、さらに大きな打っ放し現場の

 

設計依頼が来て、工事担当も君野にしてもらいたいと有難い言葉をいただいたのです。

 

しかし転職を既に決めていましたので、先程の資料を置き土産に?去ったのでした。

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