2021/05/30メーカーの思い
新製品の建材を売り出す時、どのようなプロセスを経て世の中に出るのか
考えてみるのも面白いものです。建材メーカーは毎年のように、新発売の製品を
開発して売り出しています。それで住宅会社にやってきては、一生懸命に新商品の
PRをすることになります。屋根材のメーカーに、ケ〇ミュ〇という会社があります。
「新しいコロニアルが開発されて、今までにない優れた製品が出来ました」
「御社には新商品販売特典として、特別な価格で提供させていただきたいと思います」
とまあこのような口上で売り込むわけです。「特別な価格で」というキャッチーな
言葉にもつられて、K様邸の屋根に採用したのでした。
メーカーは新商品を世に出す際自社で、あるいは建材試験センターに依頼して、
暴露試験等を行い、十分な耐性を確認するのが通例です。しかし実際の建物に使って
確認が出来たわけではありませんね。新しい薬品の臨床試験にあたる実地試験が、
どうしても必要になってきます。そのような事情もあって、うちにやって来たと思われます。
販売のスタートを切るために伺うのは、決して大きな住宅会社ではありません。
決まって地方の工務店や住宅会社になります。
そのようにいいものならとの思いで、お客様のK様に説明し採用したのです。
完成後2年を過ぎた頃でしょうか。定期点検に行ってみると、あちこちヒビが入り、
表面の塗装がわずかに劣化がし始めています。メーカーの担当者にその場で連絡を取り
見てもらったのは言うまでもありません。このような事態になるとは予想だにして
いませんので、厳しい対応を迫り、改良工事をしてもらいお客様には納得して
もらったのでした。後で分かったのですが、工務店の仲間にも似たような経験をした
人がいましたので、このようなやり方が行われているものと思っています。
メーカーの担当者は否定しますが、このようなことがその後もいくつか起きていますので
あまり説得力はありませんね。