2021/06/08潜んでいる
建築や土木の現場は地図に載るほどの大きな事業から、個人の住宅建築まで幅広い。
規模の差こそあれそこには、絶えず危険の潜んだ所であるという認識があります。
幸い私は今まで、重大事故に遭遇することはなかったが、足場上での骨折、
電動器具での怪我、落下物による事故等は建設マンゆえにいくつか経験してきた。
また友人はスレート屋根を踏み抜き、転落して亡くなった。
まだ4年前のことです。そして職人を転落させてしまい、最悪の結果を経験した
クラスメートもいる。建築は大好きな仕事ではあるが、危険と隣り合わせで一歩
間違うと、悲惨なことになってしまう。だから緊張しながら足場の状況をみる習性が
ついています。特に現場管理者は、KYと言って危険を予知する能力が大事で、
未然に危ない所を発見して対策を取る必要があります。
話は代わりますが、加世田に有〇産〇人科という病院がありました。
(今は施設として運営)病室の改造工事をしていましたが、考えてもいないことが起きる
ものだと思いました。すんでの所で救われましたが、危ない思いをしましたね。
それは職人がトイレの壁を塗装工事中のことになります。
工事用換気扇を回し、空気の入れ替えをしながら作業を進めていたのでした。
作業人員は一人です。単独での作業をしたことも拙かった。
シンナー系の塗料は、揮発性の物質を大量に発生させてしまいます。
職人は刷毛を動かし、塗料を塗る作業に没頭していたのです。そこへ先生がたまたま
通りがかり、工事区域の中に入ったのでした。すると塗装職人は泡を吹きながら
倒れていました。これは緊急事態です。先生はすぐさま注射を打ち、処置を施して
くれたのです。
「危ない所でした。発見が早く処置が素早く出来たので良かったです」
「また運も良かったです」と聞かされました。何かの用事で出かけていて、帰ってくるなり
そう言われて、ここが病院で本当に良かったと思いましたね。
先生には感謝しかありませんでした。今でも、人目に付かなければどうなっていたかと思う
ことがあります。