2021/07/26言い続ける
人間は基本的に、怠惰であり物事を忘れやすい生き物だと思っています。
また飽きの来ることもよく経験していますね。建築現場は、一つ間違えば
危険な状況が潜み突然牙をむくことがあります。だからこそ日々注意力を
働かせていなければならない職場です。
現場では足場の上、危険物落下の恐れ、クレーンの荷揚げ、機械器具の扱い等
幾つもの要注意作業がついてきます。そんな中ヘルメットは、頭を守るための
大事な装備になります。暑いときに頭に被るヘルメットは、蒸れて髪の毛に
影響があることは知られていますが、習慣化して、体が覚え込むまで身に
付けたい基本動作です。これも今では当たり前に職人さんは被ってくれますが、
ここまで来るには相当の時間がかかっています。棟上げの日はクレーンが来て
危険作業の連続ですが、まだ被らない人が大勢いました。
そのような人を見る度に現場員は「ヘルメットの着用は自分を守る為ですので
被ってください」と言い続けたのです。もし見て何も指摘をされなければ、
「このままで良いんだ」と勘違いをされますからね。あくる日にまた同じ
ような人を見かけたら「ヘルメットは大事ですので必ず被るようにしてください」
と指摘していくのです。まるで子供を教育するようなものです。
事あるごとに言い続けることで、やっと本人に安全意識が少しずつ、少しずつ植え
込まれてくるのです。言う方もきつい思いをしますが、こちらの方が根負けする
ことはできません。この人たちは何回言ったら分かってくれるんだ、という思いを
することもあります。それでも言い続けることが大事ですね。