2021/08/08思いがけない所に
度々ここでも紹介される法隆寺は奈良県斑鳩の里に悠然と建っています。
建っていると言うか、建ち続けていること1400年。歴史の舞台となった
事件の多い所にあります。国宝や世界遺産にも登録されて誰でも知っている名刹です。
戦前は戦況の悪化によりひどく荒れたこともありましたが、その歴史的価値を西洋人にも
説いて、古文書や仏画等を守った方の特集がありましたね、名前は忘れましたが。
法隆寺は回廊や金堂、五重塔が有名ですが、夢殿、正式には八角円堂と呼ばれ聖徳太子を
供養する建物があります。
名前の通り八角形の形をして親しみやすい印象の建物です。二十歳の頃京都から車を飛ばし、
一つ下の長嶋君と行きましたが、正直あまり覚えていませんね。関心は他にあったような気が
しますし、ゼネコンの手がける建築と対照的で興味は湧かなかったのです。
その後郷里に帰り、木造建築を始めるようになって、その存在の大きさを恥ずかしながら
知ったのです。その夢殿に不思議な光景がありました。10年位前のことになります。
国宝の仏像、威厳に満ちた柱や梁を目の前にして、あまりに奇妙な存在でした。
これはミスマッチというか、軽率な物体で違和感は半端ではありませんでした。
これは誰の発案か、誰の許可でそのようなことになったか、不思議で仕方がありません
でしたね。その物体とは・・・、「お賽銭箱」です。
賽銭が滑り落ちる所がベニヤ板で全面貼られているのです。その端部は膨れ、表面の
単板が剝れた状態。酷かったですねこれは。銘木の吉野杉が地元にあることを
知らなかったのでしょうか。なぜムクの木材を使用しなかったのでしょうか。