2021/09/06詳細があればなお良い
住宅を造る際に必要なものがあります。
それは設計図書と呼ばれて、建築士が審査機関に申請する図面や、書類のことを言って
います。この許可が下りないことには工事着手出来ません。まぁ常識的なことで分かり
きったことではあります。建築士の描く図面は設計図書と言われて、家主さんは
後生大事に保管してほしいものです。特に崖地や擁壁の許可書を取って建てられた
建物は、後々これが証拠となります。
役所もその許可書は保存していますが、数年しか保存期間はありません。これは自分の
財産は自分で守る意味からも重要なことです。話はそれましたが、建築は設計図書を元に
造られますが、実はこれだけではうまく行きません。施工図や加工図、詳細図、あるいは
承認図とか、いろいろな呼び名で呼ばれているものが必要です。日本の慣行ではこのような
詳細ディティール図面は、建築施工会社が主に負担して描くものとされています。
(本来は設計者が書くのが正しい姿です)設計事務所の先生が描いた図面を補完する、
あるいは裏付け的なものの役目を果たす目的で書かれます。それからもう一つの役目は、
意匠的に優れたデザインの建物を、細部まできっちり押さえて造るということがあります。
そうすることで設計者の意図を汲んだ綺麗で美しい建築ができるのです。いわゆる
「細部に神が宿る」と言われる所以です。ただ現実的に建築家の先生がそこまでやるかと
いうと、NOと言わざるを得ません。そのような中、建築家の伊礼智さんは唯一といって
いいほど、自分のやり方を細部まで表現する方です。またディティール集を作り、本として
販売もしています。会社も自分の流儀を持つことは、相手からも信頼されることに
なりますね。