2021/09/09長い年月
南薩に比べて山間地の多い北薩は山深い地形が多い。
峰付近まで植林された木は、今が伐採の旬を迎えています。まっすぐ伸びた木は、50~60
年の年月を経てやっと切り出すことのできる所まで来ています。まだ山が売り買いされて、
林業が産業として成り立っていた頃に手入れされたことが分かります。
なぜそれが分かるのかというと、立木のかなり上部まで枝打ちがなされて、元と末の径に
差がない育ち方をしているからです。枝打ちが適切になされないと、樹木の根っこ部分
である元の径はかなり太く、上部である末は円錐状に細り、バランスの悪い木になるのです。
伐採するにも運搬も使い勝手もよくありませんね。アルバイトで山の下草払い、肥料撒きを
したことがあります。重たい肥料袋を担いで行き、枝の広がる範囲が肥料を撒くのには
ちょうど良い。山に肥しをと今では思いますが、それ位手間もお金も掛けていたのでした。
植林、下草払い、間伐材の伐採、枝打ちと、商品となるにはかなりの費用と時間を要します。
道すがら伐採された山も最近あちこち散見されます。怪我の功名でもウッドショックでも、
林業がまた復活出来たらこれほど良いことはありません。気になることは、再植林がされて
いるかということです。立ち止まりよく見ると、ちゃんと幼木が植えられていて安心しま
した。採算だけではなく、治山、治水、防災の面からも山が健全であることは大事ですね。