2021/10/18少しでも良く
冬温かい家を求めると、快適で過ごしやすいものになります。
ところが夏は期待通りいかない事が多いとお伝えしました。日本の建築をやっている
者の多くが、感じているジレンマでもあります。私も超の付く程断熱、気密を高めた家
を以前造りましたが、夏は早くから秋はいつ迄も、クーラーのお世話になるのでした。
夏と冬の対策は二律背反的な所があり、熱の扱いは専門家でも意見が食い違うことが
あります。日本には昔の歌人吉田兼好という人が「家は夏を持って旨とすべし」と言って
います。「冬はどこに居ても暮らせるが、夏はそうはいかない」ということから、家造り
のあり方を説いたものです。その真意は風通りのいい家にすることで、少しでも凌ぎやすい
ものに出来るということだと理解しています。夏の南から吹く風は、北側へ吹き抜けるいい
風です。この風を利用して涼を取ることは、ごく自然なことでした。また地窓から、床付近
をかすかにそよぐ風を利用することは、昔の人が知恵として知っていたことでしたね。
自然の気象環境をそのまま受け入れる外なかった昔と違い、今は断熱、気密を施すのが
当たり前ですが、やれることはまだ多いですね。
日本ではまだ公認されていませんが、遮熱という概念があります。これを最も熱を受ける
屋根面に貼ることで、大きな効果を発揮できます。この製品は同じような名前で沢山売り
出されていますが、純正のアルミ箔でないと効果は今一つです。