2021/12/25聞いてあげる
仕事でうまく行かないことや、家族に問題が起きると憂鬱で気も沈みがちです。
誰でも多かれ少なかれ経験することではありますが、人によってはなかなか現実を
受け入れられずに、懊悩することもあるかと思います。
人によって許容の幅があり感じる悩みの深さも違うのでしょう。傍から見るとそのよう
に見えなくても、当人には結構深刻なことになっていることもあるのではと思います。
南〇本新聞社の主催する研修がありまして、その筋の専門家の話を聞く会があります。
心療系の先生でしたが、カウンセリングに来た方と先生のやり取りです。
どうしましたか。「先生最近気持ちが沈んでどうしようもないのです」
あっそう。「意欲が湧かなくて、何もやる気が起きないんです」
あっそう。「時にはこのままいなくなりそうな気持になります」
あっそう、鈴木さんそれが鬱なんですよ。「あっそう、また来ます」
と言って自宅に帰っていったと言います。単純化して言っていますが、本質的な事を
言っていて興味深い話です。
先生は昭和天皇の話す言葉に例えて話したのでした。もう元号も2つ変わり、直接記憶
されない方も多いと思いますが、国民と接するとき確かにそのような言葉を掛けながら
聞いていたのでした。ただ共感するだけでしたが深く耳を傾ける姿勢が、言葉よりも強い
ものとして伝わったのです。励ますことはしない、同調することもなく、ただ聞いてあげる
ことだけですが、届いたのでしょうね。
懐を深くして、言葉を不用意に発せず静かに聞いてあげる。いい話でしたので記憶にいつまで
もありました。