2022/01/24木を活かす
木で家を造る時は、必ず乾燥という工程が必要です。
木が未乾燥のまま使用されると色々な不具合が起こり、住んでいて不自由で美観上も
決して好ましくないことになります。
例えば後々木が痩せて隙間が出来てしまう、狂いが生じて建具が軋み、開閉が困難に
なる等はよく経験することです。
他には反りや捻じれによる変形は建築美を損ない、満足感の低い家になってしまいます。
また壁内や屋根裏に湿気がこもり結露、カビを発生させるなど良いことは一つもあり
ませんね。そこで開発されたのが、人工乾燥と言う工法による木材の乾燥だったのです。
国は補助金を出して乾燥窯を産地に作り、乾燥木材が広く普及していったのでした。
それは大変画期的なことでした。手軽で大量に乾燥材が生産されることは、住まいの品質
を向上させ、広く支持されていったのでした。
反面思いもしなかったと言うか、どちらかというと負の側面も存在することが、実践する
ことで分かってきたのです。それでも勢いというか、流れの中では問題視されることなく
今日に至ってしまいました。
それは木を高温乾燥窯に入れると脆くなり、粘りの無い材木として製品化されるのでした。
木材には油脂分やエキス分が蓄えられているのですが、これが高温乾燥で水分と
一緒に飛んでなくなるのでした。その上木の最たる特徴である香りが無くなり、
変わってすえた臭いが染み付くのでした。
まだあって艶が無くなり血色の悪い肌をした木になってしまうのでした。
他にも内部割れという深刻な状況も発生して、本来の樹の良さはどこにもなくなって
しまったのです。それでは続きはまた明日お伝えしたいと思います。