2022/01/28木を活かす3
家造りの根幹である木には、他の建材と違い特段の注意を払いながら進めている
ところです。建築に携わる者として当然のことではあります。
今迄木材の乾燥のことについて書いてきましたが、もう少しお付き合い下さい。
ちょっと前のことになりますが、自分達のやっていることが本当に正しいのか、一度
確認するために公共の試験場に材木を持ち込み強度試験をやったことがあります。
圧縮、剪断、曲げ試験は基本的な試験方法になります。
人工乾燥された木と自然乾燥の木の両方の梁材(120×240、3メートル材)を持ち
込んで試験したのでした。
すると結果は各試験とも自然乾燥材の木が勝るものとなったのでした。
予想されたことではありましたが、値として15パーセント位の強度の低下がどの試験にも
表れたのです。自然乾燥された木の優位性が実際に証明されたのでした。
そして同時に粘り強さも見ることが出来たのでした。
自然乾燥の木は荷重が増えるごとに徐々に撓んでいくのですが、変形はしても持ち堪える
かのようにしなり、容易に破壊しないのでした。
そして試験荷重を解くとまた元の姿に戻ろうとするのです。
一方人工乾燥された木は許容応力点が急にやってきて、大きな音を立てて破壊するのでした。
靭性という面においても明らかに劣ることが分かったのでした。
結果は想定していた通りでしたが、自信をもってまた家造りに邁進できそうです。