2022/07/02軒がない
最近の家造りのトレンドの一つはスタイリッシュであることでしょうか。
その特徴的な外観は屋根が出ていないという事です。
建物から外の部分がなくなっているので、外壁面がシュッとしていて凹凸がありません。
伝統的な家造りとは印象が違いますので、一目で分かるかと思います。
特に最近は人気があって、若い人達から支持されているようです。ここしばらくこの流れは
続くのではと思っています。
屋根のことで言うともう一つ、片流れ形状の屋根が多いという事です。
棟(屋根のてっぺん)が無く、建物は箱が置かれたような形をしているのが特徴です。
年配の方は「軒先が無いと家じゃないよ」と言う人が居て、年代で好みが違うのも
面白いことです。
そして伝統的な日本の家と言えば、瓦屋根ですね。軒先の伸びた水平ラインは落ち着き
があって美しいものです。街並みを形成するいい風景でしたね。
そしてこの軒が作る陰影は、季節や天気と作用し合って、風情を醸してもいるのです。
また軒は家のスタイルだけではなく、他にもいろいろな効用があることも知っていて
欲しいところです。
まず何と言っても軒が実用的に果たす役割は、日差しとの関係になります。
夏の直射日光はとても強烈で厳しいものがあります。最近の温暖化の傾向から、
気温もかつて経験したことのないようなことになっています。
それを軒が出ることで遮り、直接的な影響をなくすことが出来るのです。
暑い時期に日差しは入らない方がいいですからね。
それから雨天時のことになります。突然やってくるにわか雨で苦い経験をした方は
多いのではないでしょうか。戸締りが間に合わなくて床や畳を濡らしてしまうのです。
それがいい感じで軒が出ていると、少々の雨では濡れることなく安心して窓を開けて
いられるのです。
この様に軒のことはデザイン性、実用性の両面から考慮して決めるべきですね。