2022/07/06真似出来るか
家を造る世代は子育て世代が多いのですが、その時ご両親の姿を拝見することが
あります。
ご自身は若い時に家を造り、同じように子育てを経験してきたのです。
多くが高齢者の仲間入りをしていて、もう現役で働いてはいません。
そんな親御さんが、子供が安心して家を造るために一肌脱ぐケースや
後々揉めないようにと配慮をすることがあるのです。
ある方のお父さんは、病気が進行して発作があり、酸素呼吸器をいつも携行
していました。家を造るのは息子さんですが、有難いことことにお父さん名義
の土地があって、ここに造ることにしたのです。
土地代を負担することが無ければ、息子さんの家造りの資金計画は、余裕のある
ものになります。
ただ親としては心配なこともあります。万が一のことがあれば、相続という息子
さん以外の兄弟も関わって解決しなければなりません。
その時土地のことで揉めないようにとの思いがあったのでした。いや必ず揉め事に
発展するとの確信があったようです。
それで土地は息子さんが相続する、他の兄弟には土地以外で平等に分配する。
と決めていたのでした。なかなか着工出来なかったのは、その手筈が整わないから
でした。そして土地のことがようやく目途が立ち、着工の運びとなった時、
お父さんは楽しい家にやってきたのです。
どのような家造りになるのか、何時頃完成するのかを聞くと「よろしくお願いします」
と言って足早に帰っていったのでした。
酸素吸入器を付けていますので、あまり長くは居られない様子でした。
それから間もないことでしたが、旅立っていかれたのです。
親しか出来ないこと、親のしまえ(なすべきこと)をちゃんとして旅立たれた
のでした。全く立派な方でした。