2022/09/04中流がない
今建設資材の値上がりが急で、オイルショック当時の様相を思い出します。
それはあっという間にあらゆるものが値上がりして、波及していったのでした。
この頃住まいを造った人は、オイルショック前と後で随分と建築費が違って
しまったのでした。
運の悪さを嘆く人もいましたが、起きたことは仕方がないと割り切って皆さん前を
向いて歩いて行ったのでした。
しかし当時とは様子が違うようにも感じています。値上がりはあらゆるものに及び
物価は高騰しましたが、それに連れて給料も同時に上がっていったのでした。
収入が追いつき、物価が上がっても実質的な可処分所得が増えることで乗り越えて
いけたのです。
皆が中流の意識を持てて、富の分配の仕方に公平感があったのでした。
頑張れば報われる、一生懸命に働けばいい暮らしが出来るようになる。
この様な慎ましい庶民の思いは、実感として叶えられていたのでした。
話は変わりますが、貸家の入居者が昨年から相次いで退居するようになりました。
それもたいていは若い女性の方です。
退居理由を聞くと、収入が思わしくなく実家の両親の家に住むという事です。
働く人の貧困はよくニュースで聞くことでしたが、身近なところの話であり、
そこまで日本は酷い状態なのかと思ってしまいます。
たて続けにこのようなことが続くと、まだ困窮している人が要るのではと考えて
しまいます。
引っ越すのは朗報と決まっていましたが、うつむき加減に住まいを後ににする姿を
見るのは辛いものがあります。よく聞くのはこの30年、日本の労働者の給料は上
がっていないということです。外国の所得折れ線グラフは毎年右に上がっていますが、
日本だけは水平のままに来ました。
この表を見る度に愕然としてしまうのです。非正規、アルバイト、契約社員、季節労働
短期雇用、イメージの良くない言葉です。回りまわって負の循環に陥ってしまうようで
こわい思いがします。何とかいい方向に行きますようにと願うばかりですね。