2021/03/16デザインは真似出来る
建築業界はデザインのいい家が出来ると「あの家がかっこいいので
あの通りに造ってほしい」という注文は昔からありました。
建築に限らず、それなりに成功して名の知れた方や功績を残した方はいつの世も、
真似をされたり酷似した類似品を販売されたりしたものです。
それはある意味で、いいものは消費者に広く支持されて出回ること
で、さらに良いものが生み出される好循環にもなってきました。
最初に井戸を掘って世に生み出した方も横綱相撲で「まあ真似は出来ても
コンセプトは分からないだろう」と有名税のような対応でおおらかでした。
事実新しいコンテンツや商品の模倣をしても、精神性やコンセプト、もっと言えば
開発者の哲学は伴わないものでした。
それゆえ真似は真似に終わり、次第に尻すぼみ状態に陥りあえなく撤退の憂き目に
あったのでした。やはりそこに物語や共感を生み出すことのできるのは、
創造した者だけが持つものでした。
しかし昨年ある住宅会社が「当社のデザインに酷似している」として別な会社の
造った家を告訴して、なんとそれが認められ勝利したのでした。
その流れは昨年4月に意匠法改正がなされたことによります。
お客様はチラシやHPでデザインのいい家を見て、工事を依頼する住宅会社に
「あの家のデザインに似せた家をつくってもらいたい」と注文することが多々ありました。
住宅会社もさして問題とは思わず、他社の住宅デザインをまねた設計により家造りを
してきたのです。
暗黙の了解であった、他社のデザインをまねて造ることが今法的に問題があると
されたのです。自社のHPやパンフレットに載せる住宅作品は、身に覚えが
ある方は、軽はずみな販促活動はできなくなりました。
「こんな法律が通ったら家など造れなくなる」と言う方もいますが、既に意匠法は成立
してしまっています。意匠登録は、某大手積〇イハウスが沢山の意匠登録を
行っているようです。