2021/10/22ハイライト
歯医者は出来るなら行きたくない所ですね。
しかし先日歯の詰め物が取れてしまい、急いで掛かり付けの病院に行くことになり
ました。何とかなるかもしれませんので、その取れたものは持ってきて下さいと電話口
で言われます。その小さな破片を先生に渡し、上手に接着してもらいそれ以来なんとも
ありませんので助かりました。そこの待合室の本棚で気になる本がありました。
「がんになった緩和ケア医が語る『残り2年』の生き方、考え方」という本です。
週末医療のお医者さんが、がんに侵され余命2年を宣告された所から書かれています。
がん患者になった医者が立場を変えて生きながら、医者として過ごす日常と、患者に
なったことで知らされたことを書いています。
医療現場ではもはや治すことは目的ではなく、残りの時間をいかに自分らしく、
納得して生きるかに焦点が向くそうです。また医師と患者さんで「ライフレビュー」
と呼ばれる回想を行うと、誰にでもハイライトシーンがあり、唯一無二のドラマが
あると言います。体力も気力も旺盛で充実して、人生の最も輝く時を過ごしてきた
歴史があったのだと知るのです。もう遠い過去のことも、ゆっくりと昔を振り返る
ことで思い起こしてくるのだそうです。私たち建築屋は、そのようなお客様の生活史
の一頁に関わらせて頂き光栄に思う。願わくば人生の良いセレモニーとして、いつまで
も記憶に残り、余韻を味わうようなことになれば幸いです。