2021/11/29受け継がれる
上山田の太鼓踊りは毎年稲刈りの終わった頃に竹屋神社に奉納される踊りです。
ここ何年か見ていないが、コロナの影響もあって今年開催されたかどうかは分かり
ません。集落を練り歩き祝儀が飛び交い、それはそれは賑やかで華のある踊りです。
県の無形民俗文化財にも指定されているだけあって、優美な姿に見とれてしまい、
躍動感のある踊りには引き込まれ、テンポの良い鐘や太鼓にすっかり魅了されて
しまいます。なんでも秀吉の朝鮮戦争出陣の時に始まったとされ、数百年以上続けて
きた歴史があります。私の祖父も踊っていたようで、集落や地区の人達になくては
ならない祭りです。
太鼓踊りは県内のあちこちで踊られていますが、上山田の太鼓踊り以上の華やかさと
勇壮な踊りは見たことがありませんね。贔屓の引き倒しかもしれませんが、是非一度
ご覧になると分かると思います。(南九州市川辺町上山田の太鼓踊り、YOUTUBEでも
見られます)
今色々な伝統行事や地域の風習がなくなろうとしています。
担い手の少ないことが拍車を掛けているのですが、何とか伝統を守って欲しいですね。
同じことは建築の職人にも言えます。先日鹿児島市で既存住宅の全面リフォーム工事が
完成しました。和室の雪見障子や書院の障子の組子には細かい細工がなされています。
「これは希少品ですので残しましょうか」と勧めてそのままにしてもらいました。
芸術作品のような出来栄えのその障子を、同じように今作れと言われても、最早職人
がいませんね。建具職の親父(畏怖と尊敬の念からの呼称)は息子に稼業を継承する
ことなく引退しています。時代と供に家造りは変るものですが、良いものの価値を知って
いる世代からはちょっと残念なことです。