2021/11/30最後まで聞いてから
もう数年前のお客様ですが、とても節度を持った話し方をされる方がいました。
家造りは打ち合わせに始まり、打ち合わせで終わるといってもいい位、私たちと話を
しなければならないことが多いものです。
度重なる打ち合わせにも姿勢を崩すこともなく、きちんとした対応でとても好感の持
てる方です。子供さんはまだ1歳位で夫婦3人でやってきたのは、見学会の会場でした。
特に感心させられたのは、話をよく聞いてもらい自分が聞きたいことがあれば、最後に
質問をしてくる態度です。
決して途中で割り込んできたり、話の腰を折って入ってくるような事はありません。
こちらの説明が終わるまで耳を傾けて聞いてくれるので、流れは当然よくなり時間通
りスムースな進行が続くのでした。私達は色々なお客様の家造りをお手伝いさせても
らっています。初めての家造りの方が多いので、皆さん一生懸命に私たちに伝えよう
として、あれもこれもと話す方が多いのは仕方がありませんね。
話が飛んだり、元に戻ったり説明の途中で急に思い出したのか、他の話題に変わる
こともしょっちゅう起きてしまいます。
その点からするとお客様のY様はとても抑制がきいて、こちらが恐縮する位節度を
持って協力してくれたのでした。もう少し我儘に振舞ってもいいのではと思うくら
いでした。そして思いがけないことでしたが、Y様と同じ職場に勤める方の住いも
造らせてもらったのでした。その方の言うには「とても忍耐強く患者さんに付き添い、
話を聞いてあげる人ですよ」と。
もっとも「Y様はかなりの負荷を自分に感じながらやっているんだと思いますよ」と
言ったことが忘れられません。言いたいことをぐっと我慢し、患者さんの話すことを
否定せず、静かに聞いてあげる事が自分の仕事だと言わんばかりです。
そんな姿勢に患者さんは安心感と信頼感を抱き、Y様には素直な気持ちで話が出来る
のでしょうね。