2021/10/11そもそも家がどうか
これ以上は温暖化を進行させてはいけない。いま世界的なコンセンサスになった
大きな課題ですね。菅前総理は2050年までに、カーボンニュートラルをゼロに
すると宣言しています。難しい野心的な取り組みですが、今実施しないと地球の温暖
化は更に早まると言われています。私達の産業である建築業界も、手をこまねいてい
るわけではありませんね。省エネ住宅に取り組み、太陽光発電を設置して何とか業界
としても、目標を達成できるように頑張っています。そのような努力はさらに続ける
必要があるのですが、もう一つ別の視点で見ると、家造りの意外な発見があります。
それは家造りに於いて、一体どれ位二酸化炭素を排出しているかという問題です。
木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造の家で比較してみたいと思います。木造住宅の排
出量を1とすると鉄筋コンクリートでは1.9倍、鉄骨造では、1.7倍を要して
家造りが完成すると統計上出ています。更に構造材だけで比べると、木造は僅かな
排出量で柱、梁を製材して作り出すことが出来ます。
その上二酸化炭素を吸収して、固定化する役目を木は育つ過程で行ってくれますので、
実質的にはゼロ以下の状態となります。一方鉄は製鉄して商品として市場に出るま
でに、沢山のエネルギーを消費しながら製品化される事情があります。家が出来て
からの省エネも大事ですが、造られるまでのエネルギー消費がどれ位なのかを考える
ことも、大事な省エネの視点だと思うのですが、皆さんはどのようにお考えですか。